適したワークと
ねじサイズから探す
医療機器の組立工程では、小型・精密な部品へのネジ締めが多く、締め過ぎや締め不足が製品の性能や安全性に影響する可能性があります。また、製造記録の管理や清浄度への配慮など、一般的な工業製品とは異なる要求に対応する必要があります。
本記事では、医療機器のネジ締めで起こりやすい課題を整理し、ネジ締め機の選定や工程管理で検討したい対策を解説します。
| 課題 | 起きている事象 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 微小ネジの締め過ぎ・締め不足 | ネジや部品の破損、ネジ浮きが発生する | ドライバーのトルク範囲が対象ネジに合っていない |
| 精密部品・樹脂部品の破損 | 締付け時に部品が変形・破損する | 締付け終盤のトルク過大、押付け力が大きすぎる |
| 作業者による品質のばらつき | 作業者によって締付け状態が異なる | 手作業による締付け、工程の属人化 |
| 締結記録の管理 | 製品ごとの締付け条件や結果を記録・提示する必要がある | 品質マネジメントシステムや顧客からの要求 |
| 使用環境への対応 | クリーンルームでの使用や、電子部品を含む製品への対応が必要になる | 清浄度の要求、静電気による部品の損傷リスク |
医療機器の製造管理・品質管理では、適用される法令や品質マネジメントシステムの要求事項に応じて、製造工程の記録やトレーサビリティを適切に管理する必要があります。ネジ締め工程についても、必要な記録項目や管理方法を品質保証部門と確認し、工程の実態に合った仕組みを整えることが重要です。
医療機器に使われる小径のネジは、適正な締付けトルクが小さく、わずかなトルクの差が不具合につながる場合があります。
ネジ締め機を選ぶ際は、対象となるネジのサイズや材質、必要な締付けトルクを整理し、そのトルク域で安定して締付けられる機種かを確認しましょう。設定範囲だけでなく、トルク精度や繰り返し精度についても、メーカーに確認することが重要です。
微小ネジや特殊な形状のネジでは、ビットの適合性が締結品質に影響します。
市販のビットでネジの食い付きが悪い場合は、ネジに合わせた先端工具の製作に対応しているメーカーに相談する方法もあります。
製造記録の管理に対応するためには、締結結果を自動で判定・記録できる仕組みを整えることが有効です。
記録するデータの項目や保存方法は、自社の品質マネジメントシステムや顧客の要求に合わせて決める必要があります。
医療機器の組立では、クリーンルームでの作業や、電子部品を含む製品の組立が行われることがあります。使用環境に合わせて、ネジ締め機の仕様を確認しましょう。
医療機器のネジ締めでは、微小ネジの締め過ぎ・締め不足や精密部品の破損、製造記録の管理、使用環境への対応などが課題になります。対策としては、低トルク域に対応した機種の導入、ネジに合わせたビット・スリーブの選定、締付けの監視と締結データの記録、使用環境に合わせた仕様の確認などが挙げられます。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
腕時計や
HDDなどに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。