ハンディタイプのネジ締め機とは?

目次

ネジ締め機の導入を検討している企業担当者向けに、ハンディタイプの特徴や活用シーン、代表的な製品例を紹介。特徴や用途のほか、企業が取り扱っている製品が、どのような現場で活用できるのかについても詳しく説明しています。

ハンディタイプの
ネジ締め機の特徴

軽量かつコンパクトな設計で、狭所や高所での作業に適しています。電動式・充電式が主流であり、コードレスタイプは、取り回しのよさから作業効率を向上させることが可能です。

締め付けトルクを調整できる機能が搭載されていることも多く、ねじの締め過ぎによる部品破損や締め不足による緩みを防ぐことができます。また、人間工学に配慮されたタイプは、長時間作業しても疲れにくいように、グリップの形状や本体重量のバランスに工夫が施されています。

ハンディタイプの
ネジ締め機の用途

携帯性や操作性の高さから、以下のようにさまざまな分野・用途で活用されています。

製造・組立業務(工場など)

電子機器の組立、自動車部品の取付、電気製品や家電製品の生産ラインなど。

建設・内装・リフォーム業

スイッチやコンセントの取付、電気設備の固定作業、軽天工事、給湯器や換気扇、温水洗浄便座といった住宅設備機器の施工など。

メンテナンス・保守作業

設備・機械の定期点検、ビル管理・空調整備など。

ハンディタイプの
ネジ締め機を紹介

2025年3月24日時点、Googleで「ネジ締め機 メーカー」と検索し、ヒットした84社の中から、ネジ締め機の製造・販売を行っている会社のみを選定しています。該当の19社の中から、「ハンディタイプ」「手動ドライバー」に当たる製品を扱っている企業を紹介します。

リーズ手持型ツール SG/S
(日本テクナート)

リーズ手持型ツール SG/S(日本テクナート)
画像引用元:日本テクナート公式HP(https://www.technart.com/products/driver.html)

リーズ手持型ツール SG/Sの
性能・スペック

対応ねじサイズ-
トルク範囲(最小~最大)5~883mN・m(0.05~8.50kgf・cm)
回転スピード(rpm)-
ビット交換方式-
締付方式(制御方式)コアレスDCモーター
着座検知-
トレーサビリティ対応-
本体サイズ-
本体重量-

参照元:日本テクナート公式HP(PDF)(https://www.technart.com/products/pdf/driver/S_SG.pdf)

リーズ手持型ツール SG/Sの特徴

精密なトルク管理を必要とする組立作業に適した電動ドライバーツールです。ブラシレス構造により、摩耗が少なく長寿命を実現しているほか、幅広いトルク設定で電子機器の組立にも対応しています。

さらに、コントローラとの組み合わせにより、ねじ締めトルク値を直接設定するだけで、常に安定したねじ締めを実現することができます。

リーズ手持型ツール SG/Sの
メーカー情報

企業名株式会社日本テクナート
所在地東京都中野区弥生町3-35-13 335中野新橋ビル2F
電話番号03-6276-6617
公式URLhttps://www.technart.com/

日本テクナートの
ネジ締め機
について詳しく見る

CN-STDK/N-STDK
(中村製作所)

CN-STDK/N-STDK(中村製作所)
画像引用元:中村製作所公式HP(https://bestool-kanon.co.jp/products/detail45.html)

CN-STDK/N-STDKの
性能・スペック

対応ねじサイズ3.5~7Φ
トルク範囲(最小~最大)1~500cN・m
回転スピード(rpm)-
ビット交換方式プラス、マイナス、ボックス、ヘキサゴン
締付方式(制御方式)手動
着座検知-
トレーサビリティ対応 -
本体サイズ92~248mm
本体重量 45~790g

CN-STDK/N-STDKの特徴

単能形空転式トルクドライバーは、精密なトルク管理が求められる組立作業に適しています。

また、トルク値が固定されているため、流れ作業や大量生産ラインで、同一トルクでの繰り返し作業に高い効果が期待できます。さらに、専用CBタイプビット、市販のSBタイプビット、補助ハンドル付き(取り外し可能)と、対応ビットの種類も豊富です。

CN-STDK/N-STDKの
メーカー情報

企業名株式会社中村製作所
所在地東京都品川区大井4-4-4
電話番号03-3775-1521
公式URLhttps://bestool-kanon.co.jp/

中村製作所の
ネジ締め機
について詳しく見る

プレセット型トルクドライバ(GDP-080~450)
(京都機械工具)

プレセット型トルクドライバ(GDP-080~450)(京都機械工具)
画像引用元:京都機械工具公式HP(https://ktc.jp/catalog/index-category/category-list/gdp-080__450)

プレセット型トルクドライバ
(GDP-080~450)の
性能・スペック

対応ねじサイズ
トルク範囲(最小~最大)16~450cN・m
回転スピード(rpm)-
ビット交換方式磁気着脱式
締付方式(制御方式)-
着座検知-
トレーサビリティ対応○or-
本体サイズ140~171mm
本体重量212~330g

プレセット型トルクドライバ(GDP-080~450)の特徴

トルク設定方式は、設定したトルクに達するとクリック感とともにグリップが約90°空転する「プレセット型」です。

また、軸対辺6.3mmの磁気着脱式ビットを使用可能で、板ラチェット差替ドライバー用ビットにも対応することができます。一方、仕様方向は時計回りのみ対応、両頭ビットは使用不可であることに注意が必要です。

プレセット型トルクドライバ(GDP-080~450)の
メーカー情報

企業名京都機械工具株式会社
所在地京都府久世郡久御山町佐山新開地128
電話番号公式HPに記載がありませんでした。
公式URLhttps://ktc.jp/

WIT タイヤバルブコア専用トルクドライバー(Joyfulインポートツールズ)

WIT タイヤバルブコア専用トルクドライバー(Joyfulインポートツールズ)
画像引用元:Joyfulインポートツールズ公式HP(https://www.worldimporttools.co.jp/c/use/c11/c11-1/c11-5/5017929)

WIT タイヤバルブコア専用
トルクドライバーの
性能・スペック

対応ねじサイズ-
トルク範囲(最小~最大)0.3cN・m
回転スピード(rpm)-
ビット交換方式-
締付方式(制御方式)手動
着座検知-
トレーサビリティ対応-
本体サイズ75mm
本体重量-

WIT タイヤバルブコア専用
トルクドライバーの特徴

タイヤのバルブコアのトルクを管理するためのツールセットであるため、バルブコアをなめたり、破損のリスクを軽減します。具体的には、設定トルク値に達すると空転する仕組みとなっており、それ以上回転してもトルクがかかることはありません。

さらに、適度なブレーキ感と「カチカチ」という音によって、スリーブの空転を認識できます。

WIT タイヤバルブコア専用
トルクドライバーの
メーカー情報

企業名Joyfulインポートツールズ株式会社
所在地大阪府東大阪市本庄西2-6-11
電話番号045-949-2451
公式URLhttps://www.worldimporttools.co.jp/
ハンディタイプの
ネジ締め機で業務効率化を

ネジ締め機には、ハンディタイプ以外にも電動ドライバータイプやネジ締めロボットなどさまざまなタイプがあります。

以下のページでは、主要なネジ締め機メーカーを一覧で紹介。ハンディタイプ以外のネジ締め機を提供するメーカーもありますので、自社の生産ラインやワークに適しているかをぜひチェックしてください。

他のネジ締め機
メーカーも見てみる

編集チームまとめ

ハンディタイプのネジ締め機は、軽量かつコンパクトであるため、狭所や高所、大量生産ラインなどでの使用が可能です。充電式で取り回しがしやすく、トルク調整機能も搭載しているため、製造やメンテナンスなど、さまざまな用途で使用できます。

手動タイプから、コントローラと連携してトルクを制御できるモデルまで、幅広い製品が揃っているので、自社の生産ラインや環境に合わせて導入してください。

ねじ締めを
自動化するのも
ひとつの選択肢

本格的にネジ締め工程の自動化を検討している方には、ハンディタイプ以外の、電動ドライバーやネジ締めロボットなどの導入も考慮してみると良いでしょう。

本メディアでは、製品やねじサイズに合わせて導入しやすい自動化向けネジ締め機を3つ紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

自動化を叶える!
おすすめのネジ締め機
3選

ワークとねじサイズから見つかる!
おすすめのネジ締め機3選

ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。

スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

想定ねじサイズ:M0.4~M3(※1)
ABLシリーズ
日本テクナート
ABLシリーズ
画像引用元:日本テクナート公式HP(https://www.technart.com/)
対応トルク参考値
0.002~13.2N・m
こんな製品におすすめ
スマートフォン/車載電装品/医療機器/半導体部品
ココがポイント!

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。

ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。

家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

想定ねじサイズ:M4~M5
HMシリーズ
デンソーウェーブ
HMシリーズ
画像引用元:デンソーウェーブ公式HP(https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/screwtightening/STR.html)
対応トルク参考値
1.0~4.0N・m
こんな製品におすすめ
家電/PCパーツ/自動車組み立て部品/事務機器
ココがポイント!

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。

最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。

建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

想定ねじサイズ:M6~M12
THL900-EN01
エスティック
THL900-EN01
画像引用元:エスティック公式HP(https://www.estic.co.jp/products/)
対応トルク参考値
1.0~100.0N・m
こんな製品におすすめ
工作機械/産業機械/自動車のエンジン部品/航空機の機体構造部材
ココがポイント!

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。

高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。

※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。

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ネジ締め機3選