適したワークと
ねじサイズから探す
ネジ締め機の導入を検討する企業の中で、「何を基準に選べばよいのかわからない」といった悩みを持つ方も少なくないでしょう。このページでは、製造現場で直面しやすい課題ごとに適したタイプと選定の視点を整理し、失敗しない選び方を解説します。
| 締め付け精度や品質が安定しない | 電流制御式の電動ドライバーがおすすめ |
|---|---|
| 微細部品や精密機器を製造している | 微細トルク対応の電動ドライバーがおすすめ |
| 作業スピードを向上させたい | トルク設定可能な電動ドライバーがおすすめ |
| ねじ供給の手間を減らしたい | 自動供給装置+ハンディタイプの組み合わせがおすすめ |
| 生産数が増えて人手だけでは追いつかない | 自動供給+締め付けの全自動ユニットやロボットタイプがおすすめ |
| 品質記録やエラー履歴を残したい | 通信対応型電動ドライバーやロボット締め付け機がおすすめ |
手作業やエアドライバーではトルク値にバラつきが出やすく、製品ごとの品質が安定しないことがあります。その場合は、電流制御式の電動ドライバーを導入することで、トルクのかかり方を細かく制御でき、締め過ぎや浮きを防ぐことが可能です。特に繊細な製品においては、一定のトルクで正確に締めることが品質維持にも関わってきます。
電子部品や医療機器など、M1クラス以下の小ねじを扱う現場では、トルク制御の精度が製品寿命に直結します。微細トルク対応の精密ドライバーであれば、締めすぎによる破損や、締め不足による緩みを防ぎ、安定した量産体制を築くことが可能です。選ぶポイントとしては、自社で取り扱うねじに合わせたビット設計が可能な製品が適しています。
量産や多品種対応の現場では、作業者の手締めがボトルネックとなることが多く、トルク設定が可能な電動ドライバーの導入が有効です。あらかじめトルク値を登録できる機種であれば、作業切り替え時も迅速に対応でき、タクトタイム短縮に貢献します。一定以上の生産量がある現場では、記録機能付きタイプが推奨されます。
ねじのピックアップや供給に時間がかかる現場では、自動ねじ供給機とハンディタイプの組み合わせが有効です。作業者の動作を最小限にし、連続作業による疲労やミスを防ぐことで、全体の効率が向上します。小ロットの組立工程でも一貫して使えるため、中小規模の製造ラインにも導入しやすい構成です。
生産量の増加や人材不足により、手作業だけでは対応が難しくなった場合は、全自動タイプやロボット締め付け機の導入が適しています。自動供給と締め付けを組み合わせたシステムにより、一貫した生産速度と品質の担保が可能です。特にライン全体の自動化を見据える企業では、中長期的な投資効果も期待できます。
トレーサビリティ要件が厳しい業界では、トルクや締め付け角度、作業エラーを記録できる通信対応型の機種が求められます。通信機能を持つ電動ドライバーやロボット締め付け機は、エビデンス提出や工程監査への対応も可能です。品質保証体制の強化にもつながります。特に自動車関連業界や医療業界でトレーサビリティに対応するネジ締め機の導入が進んでいます。
ねじ締め作業・工程の中で課題を感じている企業にとって、ネジ締め機の導入はその解決だけでなく、業務効率化やトレーサビリティ対応といった付加価値の面でも大きなメリットがあります。
ネジ締め機は、対象となる製品やねじのサイズに応じて、選ぶべきタイプや機種が異なります。そこで、自動化を検討している方向けに、課題の解消を後押しするネジ締め機3選を紹介します。
電動ドライバーは、電子部品、医療機器、通信機器などの精密製品の締結作業に適しています。トルクの設定精度、着座検知の有無、作業ログの記録機能がポイントです。小ロット生産にも対応しやすく、後付けオプションで拡張できる製品を選ぶことで、将来的なライン変更などにも柔軟に対応できます。
この組み合わせは、製品バリエーションが多く、都度対応が必要な家電やPC周辺機器の製造現場に適しています。供給機でねじを自動供給し、ハンディドライバーで人の手による柔軟な作業を補うことで、作業スピードと品質のバランスが取りやすくなります。省スペース運用が可能なのも強みです。
ロボットタイプは、自動車部品やOEM製造など、タクトタイムが短く高い品質保証が求められる現場に適しています。トルク・角度・位置を一括で制御・記録できるため、品質監査や顧客要件にも対応しやすく、24時間稼働や工程全体の自動化を実現したい企業に向いていると言えるでしょう。
ネジ締めロボット
(ロボットタイプのネジ締め機)
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ネジ締め機の選定には、現場ごとの製品仕様や課題に応じた判断が必要です。「この機種が正解」といった答えはなく、まずはねじサイズや製品構造、現場が直面している課題を明確にしましょう。小ロットから段階的にネジ締め機の自動化を図る企業も多く、スモールスタートでも自動化の推進に効果的です。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。