適したワークと
ねじサイズから探す
自動車業界において、ネジ締め機は多様な工程で活用されています。このページでは、ネジ締め機の主な活用シーンとともに、現場改善につながる導入事例について紹介します。
部品の特性や締結精度の要件に応じて、ネジ締め機は多様な工程で活用されています。
車両の安全性や品質を支える重要なツールとして、各工程で幅広く活用されています。例として、エンジンマウントやフレーム部品の組立には高トルク対応のものを活用して、走行中の振動や負荷に耐えうる安定した締結を実現しています。
サスペンションやブレーキ周辺では、トレーサビリティ機能を備えた機種により、締結作業の履歴管理による品質保証が可能です。このほか、作業者の負担軽減や生産効率の向上、タクトタイムの短縮や省人化などに貢献しています。

| 対応ねじサイズ | 4mmDカットビットまたは6.35mm六角シャンクビット(型式による) |
|---|---|
| トルク範囲 | 0.39~980mN・m(0.10~100kgf・cm) |
| 締付方式(制御方式) | 電流制御式 |
| トレーサビリティ対応 | 〇 |
参照元:日本テクナート公式HP(PDF)(https://www.technart.com/products/pdf/driver/TN501.pdf)
トルク管理を要する重要保安部品などにおいて、締結データの管理(トレーサビリティ)保存が必要でした。また、車載部品メーカーの新規生産設備(自動機)において、トルク・回転角などの締結条件の最適化を必要としていました。
ねじ締め結果のデータのリアルタイムモニタリング、保存が可能となり、製品ごとに、製造日時や設定トルクなどのデータを管理・保存できるようになりました。試作評価時の波形データ取得により、スムーズな量産移行、コスト削減を実現できました。
参照元:日本テクナート公式HP(https://www.technart.com/solution/case2.html)
| 企業名 | 株式会社日本テクナート |
|---|---|
| 所在地 | 東京都中野区弥生町3-35-13 335中野新橋ビル2F |
| 電話番号 | 03-6276-6617 |
| 公式URL | https://www.technart.com/ |

※BLG-4000BC2-LTの例です。
| 対応ねじサイズ | 小ねじ:1~2.3mm/タッピングねじ:1~2mm |
|---|---|
| トルク範囲 | 0.03~0.2N・m/0.3~1.7lbf・in/0.3~2kgf・cm |
| 締付方式(制御方式) | 電流制御式 |
| トレーサビリティ対応 | 〇 |
参照元:ハイオス公式HP(https://hios.com/products/driver/BLG-4000BC2-LT/)
ねじ締め作業の安定性や精度に課題を抱えていました。特に、従来の十字ねじやブラシ付きドライバーでは、締結ミスやねじ取り損じによるライン停止などが頻発しており、トレーサビリティや工程のデジタル管理の必要性も高まっていました。
ブラシレス電動ドライバー「熟練工」やトツプラねじ、インタトルクを導入したことにより、ねじ締め品質が大幅に向上しました。特に、熟練工は、エラー検知やデータ出力機能を備え、締結状態の見える化とトレーサビリティ確保を実現できています。
参照元:ハイオス公式HP(https://hios.com/pickup/mitsubishielectric/)
| 企業名 | 株式会社ハイオス |
|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区押上1-35-1 |
| 電話番号 | 03-6661-8777 |
| 公式URL | https://hios.com/ |

| 対応ねじサイズ | - |
|---|---|
| トルク範囲 | 0.2~420N・m |
| 締付方式(制御方式) | パルス締付 |
| トレーサビリティ対応 | 〇 |
参照元:エスティック公式HP(https://www.estic.co.jp/products/hand-nutrunner/tool.html#a1)
次工程のために締め付けたねじを一度緩め、すき間を確保する必要がありました。しかし、インパクトレンチで締め付けた後、作業者が手の感覚だけで緩めていたため、すき間にばらつきが。また、締め付け時の反力も大きく、作業者への負担が課題となっていました。
逆転角度法によりねじの緩め角度を正確に制御でき、常に一定のすき間を確保できるようになりました。
また、数値で緩め量を管理できるため、工程のばらつきやミスを削減。さらに、パルスツールを併用することで締め付け時の反力を軽減し、作業者の負担も大幅に低減されました。
参照元:エスティック公式HP(https://www.estic.co.jp/case-study/1090/)
| 企業名 | 株式会社エスティック |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府守口市東郷通1-2-16 |
| 電話番号 | 06-6993-8855 |
| 公式URL | https://www.estic.co.jp/ |

| 対応ねじサイズ | - |
|---|---|
| トルク範囲 | - |
| 締付方式(制御方式) | - |
| トレーサビリティ対応 | - |
手作業に依存しており、締め忘れやトルク不足、ねじの種類間違いなどのヒューマンエラーが頻発し、不良品の発生リスクが高い状態になっていました。
また、これらのエラーが次工程に流れてしまうケースもあり、全体の品質に影響を与えることもありました。
ねじ締めの完了信号のPLC一括管理、締め忘れがあった際の警告により、不良品の次工程への流出の防止が可能になりました。また、トルク管理機能付き電動ドライバーにより、誰が作業しても一定の品質を確保できるようになりました。
参照元:大江電機公式HP(https://ohe.jp/archives/solution/9129)
| 企業名 | 大江電機株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市南区前里町1-9 |
| 電話番号 | 045-241-3711 |
| 公式URL | https://ohe.jp/ |
ネジ締め機の導入により、ねじ締めの工程を自動化、あるいは半自動化することができます。特に、これまで手作業で行っていた工場では、省人化や属人化に大きく貢献するはずです。さらに、自動化することはスピードの向上、品質の向上・改善、コストの削減につながるなど、メリットや導入効果は業務効率化だけに留まりません。
以下のページでは、実際にネジ締め機を生産ラインに組み込んだ事例や、導入して省人化を叶えた事例を紹介しています。イニシャルコストがかかる、手作業より不良が増えるのではないかと不安に思っている方は、ぜひ実際の導入事例をチェックしてください。
自動車業界では、ねじ締め作業の安定化や品質保証の確立に向けて、トルク管理やトレーサビリティ対応機能を備えたネジ締め機の導入が進んでいます。特に、重要保安部品や電装部品では、「いつ・どの製品に・どのトルクで締めたか」を記録・追跡できることが求められています。
紹介した事例でも、締結データのモニタリングや履歴保存、PLCとの連携によるエラー管理など、工程の見える化・記録化によって不良の流出防止や再発防止に貢献する機能が導入されています。
当メディアでは、ネジ締め機導入を検討している企業担当者向けに、トレーサビリティにも対応しているおすすめのネジ締め機を紹介しています。ぜひチェックしてください。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。