適したワークと
ねじサイズから探す
生産ラインの自動化の推進に、ネジ締め機の導入が有効であることについて解説しています。自動化の方法や導入する際の注意点、また、品質向上や作業者の負担軽減などを実現した導入事例について紹介します。
生産ラインにおけるねじ締め工程の自動化は、品質の安定化や人手不足の解消、生産効率の向上といった多くの利点をもたらします。自動化の主な手段として、「自動ネジ締め機」や「ネジ締めロボット」の導入があり、人の手によるねじ締め作業を機器が代行することで、工程の半自動化や全自動化が可能です。
ネジ締め機は、仮締め・本締め・緩めといったさまざまなねじ締め工程も一貫して管理できます。特に極小ねじなど、人の手では難しい作業も安定しておこなえます。一方、ロボットタイプは、より高度な自動化が可能です。ねじ供給装置、電動ドライバー、ロボットアーム、制御装置などで構成され、正確な位置決めとトルク制御により高精度な作業を実現します。
ネジ締め機やネジ締めロボットの生産ラインへの導入により、「締め付け精度の向上」「生産量の増加」「品質改善」などのメリットが得られます。特に、ねじ締めトルクを精密に管理できるため、作業の正確性とスピードの両立が可能となり、ねじ締め精度を安定させることが可能です。
一方、ロボットは工程に応じたカスタマイズが前提となるため、自社の課題に対して多関節型や双腕型など、製品形状や作業内容に応じて選定が必要です。

※BLG-7000BC2の例です。
| 対応ねじサイズ | 小ねじ:2.6~5mm/タッピングねじ:2.6~4mm |
|---|---|
| トルク範囲 | 0.7~2.8N・m/6.1~24lbf・in/7~28kgf・cm |
| 締付方式(制御方式) | 電流制御式 |
| トレーサビリティ対応 | 〇 |
参照元:ハイオス公式HP(https://hios.com/products/driver/BLG-7000BC2/)
日立GLSでは、製造現場におけるねじ締め不良や締め忘れが品質のばらつきや再作業の原因となり、作業者への負担も大きいという課題がありました。また、従来の電動ドライバーではトルク管理や本数管理が難しく、締め付けの精度にも限界がありました。
電動ドライバー「熟練工」の導入により、ねじ1本ごとの締め付け品質が大幅に向上しました。また、リアルタイムでのエラー検知やシリアル通信による工程連携により、締め忘れが防止され、品質が安定。さらに、ねじ識別機能や自動化対応により、ライン効率化とミス低減を実現しています。
参照元:ハイオス公式HP(https://hios.com/pickup/hitachi/)
| 企業名 | 株式会社ハイオス |
|---|---|
| 所在地 | 東京都墨田区押上1-35-1 |
| 電話番号 | 03-6661-8777 |
| 公式URL | https://hios.com/ |
ネジ締め機の導入により、ねじ締めの工程を自動化、あるいは半自動化することができます。特に、これまで手作業で行っていた工場では、省人化や属人化に大きく貢献するはずです。さらに、自動化することはスピードの向上、品質の向上・改善、コストの削減につながるなど、メリットや導入効果は業務効率化だけに留まりません。
以下のページでは、実際にネジ締め機を生産ラインに組み込んだ事例や、導入して省人化を叶えた事例を紹介しています。イニシャルコストがかかる、手作業より不良が増えるのではないかと不安に思っている方は、ぜひ実際の導入事例をチェックしてください。
ねじ締め工程の自動化は、生産効率の向上、品質のばらつき防止、そして人手不足対策に有効です。日立GLSでは、ハイオス製電動ドライバー「熟練工」を導入し、締め付け精度や作業効率が大幅に向上しました。エラー検知や本数管理、自動化ラインとの連携により、品質の安定と作業者負担の軽減、ミスの削減を実現しています。
実際の導入事例を通じてネジ締め機の自動化効果を紹介しましたが、当メディアでは、生産ラインの自動化や品質安定・作業効率の向上を目指す方に向けて、用途やねじサイズに応じたネジ締め機3選を紹介。生産ラインの自動化を検討されている方は、ぜひチェックしてください。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。