適したワークと
ねじサイズから探す
製造現場、特に多品種少量生産のラインにおいて、「段取り替え」や「立ち上げ時間」の短縮は大きな課題です。ドライバーのトルク調整や位置合わせに手間取り、生産できない時間(ダウンタイム)が発生していませんか?
ドライバー単体の運用を見直すだけでは、大幅な時間短縮は困難です。解決手段として、高機能なドライバーをロボットやシステムと連携させ、設定自体を「デジタル化・自動化」する方法があります。本記事では、自動ネジ締め機やロボットシステムを活用して、立ち上げ時間を短縮する具体的な手法を解説します。
新しい製品をラインに流す際、ボトルネックになりがちなのが、ネジ締め位置の教示(ティーチング)作業です。従来の手法や単軸ロボットではラインを止めて実機を動かす必要がありましたが、これを解決するのが、ロボットシステムを用いた「オフラインティーチング」となります。
専用のシミュレーションソフトを使用し、PC上でプログラム作成や干渉チェックを行います。現在の生産を止めることなく、裏で次の製品の準備を完了できるため、実機での調整作業は最小限で済みます。これにより、垂直立ち上げと稼働率の維持を両立できます。
多品種を扱う場合、製品ごとに専用の治具を用意したり、厳密な位置合わせを行ったりする工数は膨大です。この課題は、ネジ締めユニットに「ビジョンセンサー(カメラ)」を組み合わせることで解消につながります。
ビジョンシステム搭載の自動機であれば、ワーク上のマークやネジ穴をカメラが認識し、多少の位置ズレを自動補正してネジ締めを行います。治具の精度やセット位置に過敏になる必要がなくなり、ティーチング時の座標設定もラフに行えるため、立ち上げにかかるハードルと時間を大幅に圧縮できます。
「自動機やロボットは、プログラム変更が難しそう」という懸念が、導入の障壁になることがあります。しかし、近年の協働ロボットやスカラロボットには「ダイレクトティーチング」機能が備わっています。
これは、ロボットアームやドライバー先端を人の手で直接動かし、ネジ締めポイントに合わせるだけで座標を記憶させる機能です。複雑な言語入力が不要で、現場の作業者がいつもの工具を扱う感覚で直感的に設定できます。専任技術者が不在でも、急な品種切り替えに対応可能です。
製品Aから製品Bへ切り替える際、ドライバーのトルク目盛りを手動で回して調整していませんか?この作業は時間がかかるだけでなく、設定ミスのリスクも伴います。
高機能なネジ締めコントローラーを備えたシステムであれば、品種ごとの「トルク」「回転速度」「ネジ締め座標(ロボットの場合)」といったパラメータを数百通り記憶可能です。外部信号や製品のバーコード読み取りと連携させることで、これらの条件を切り替えることができます。物理的な調整作業を削減し、段取り替え時間を「秒単位」まで短縮することが可能になります。
このように、従来のドライバー作業を「自動ネジ締めシステム」へと進化させることで、立ち上げや段取り替えの時間は大幅に短縮できます。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。