適したワークと
ねじサイズから探す
製造ラインにおいて、ネジ供給機(パーツフィーダー)の詰まりによる一時的な停止(チョコ停)は、生産効率を著しく低下させる要因です。本記事では、ジャミングのメカニズムと現場で実践できる対策を解説します。
ネジが途中で引っかかり、正常に動かなくなる現象を指します。製造や組み立ての現場では、大きく分けて以下の2つの異なる状況を指して使われます。
供給機内部やレール上でネジが詰まり、取り出し口までネジが到達しない現象です。主に、レール上でのネジの重なりや、異物の挟まりによって発生します。センサーが「ネジなし」と誤検知してシステム全体が停止するため、作業者が介入して詰まりを取り除く必要があります。
ネジを締め付ける過程で、摩擦熱によってネジ山同士が溶着し、動かなくなる現象です。「焼き付き」とも呼ばれます。特にステンレス製のネジで発生しやすく、無理に回すとネジが破損したり、製品(ワーク)側のネジ穴を破壊したりする恐れがあります。
ネジ自体の品質に問題があるケースです。安価なネジに見られる「バリ」「頭部の変形」「曲がり」などが、シビアに調整されたレールの隙間に引っかかり、流れを止めてしまいます。
また、サイズ違いのネジやワッシャーなどの異物が混入することで、供給レールやエスケープで物理的に詰まる事故も頻発します。自動機は規格通りの良品が流れる前提で設計されているため、わずかな寸法公差の狂いが命取りになります。
機械側のセッティングが不十分なケースです。パーツフィーダーの「振動」が強すぎるとネジが暴れて重なり合い、弱すぎると供給が滞ります。また、ネジが通る「レールの隙間」や「通過センサーの位置」の調整が、ネジの個体差に対してタイトすぎると、少しの変動で引っかかってしまいます。
長期間の稼働によるレールの摩耗や、振動板の劣化によって、当初の最適設定からズレてしまうこともジャミングの要因です。
メンテナンス不足による環境要因です。ネジに付着している防錆油や切削油が多すぎると、ホコリを吸着して「ヘドロ状の汚れ」となり、レールの滑りを悪くして詰まりを引き起こします。逆に油分でネジ同士が張り付いてブリッジを起こすこともあります。
また、ビットやレールが帯磁してしまい、鉄粉やネジそのものを吸い寄せて、スムーズな落下や切り出しを阻害するケースも非常に多く見られます。
ネジメーカーから納品されたネジをそのまま投入せず、選別機にかけることが有効です。寸法選別機や画像処理選別機を通すことで、バリのあるネジや異材、ゴミを事前に除去できます。供給機へ投入する前の段階で不良因子を取り除くことで、自動機内部での致命的なロックを防ぎます。
レールの清掃は基本です。パーツクリーナー等を用いて「脱脂洗浄」を行いましょう。また、原因の項目で触れた「帯磁」への対策として、脱磁機等を用いて、定期的にレールやビットの磁気を抜くことも、鉄粉による詰まり防止に有効です。
ネジ供給機の詰まり(ジャミング)は、単なる周辺機器のトラブルではなく、自動ネジ締め工程全体の生産性を著しく低下させる要因です。清掃や調整といったメンテナンスで状況が改善しない場合、供給ユニットと締結ユニットの連携がうまくいっていない、あるいはワーク特性に対して設備の能力が不足している可能性があります。
根本的な解決には、供給機単体の見直しにとどまらず、ジャミングに強い供給機構が統合された産業用自動ネジ締め機へのシステム更新が有効です。各メーカーは独自の詰まり防止技術を持っていますので、安定稼働するラインを実現する一台を選定しましょう。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。