ネジ締めを自動化するメリットは?

目次

本記事では、「ねじ締めを自動化することでどんなメリットがあるのか?」を分かりやすく整理しています。ネジ締め機を導入し、自動化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ネジ締め工程を自動化する
5つのメリット

作業スピードが向上する

人による作業では、作業時間が長くなるにつれ疲労が蓄積し、作業スピードは低下します。しかし、自動化によって、作業スピードの向上と作業員の負担軽減の両方が実現可能です。これにより、納期遵守の生産体制も構築できます。

締め付け品質・精度が
一貫して保たれる

締め付けトルクをコンピューター制御できるため、作業のばらつきや不良品の発生を抑制できるのも大きなメリットです。締め付け品質や精度が一貫して保たれることで、製品自体の信頼性向上も期待できるでしょう。

属人化を防ぎ、コストを
削減できる

作業手順を自動化することで、特定の作業者に依存することなく、誰でも一定の品質で作業が可能になります。ねじ締め作業の平準化によって、教育にかかるコストや人件費を削減することができます。

生産数を増やし、工程の
ボトルネックを解消できる

ねじ締め工程における作業効率や品質のばらつきは、全体の生産スピードを落とす「ボトルネック」となりやすい部分です。自動化によりこれらのボトルネックを解消できるため、結果として生産数の増加につながります。

トレーサビリティ対応により
品質改善につながる

締結トルクや作業履歴のデータを自動で記録・管理できるネジ締め機であれば、不具合の原因特定が容易になります。記録を基にした分析にも活用でき、問題の早期発見と素早い品質改善を目指せるでしょう。

ネジ締め機の導入は
品質・効率・コストに効く

ねじ締め作業を自動化するメリットは、上記のとおり多岐にわたります。導入コストはかかるものの、生産数の増加や品質の安定化、コスト削減の効果が見込めるため、長い目で見れば費用対効果は高いと言えます。

本メディアでは、自動化のメリットが期待できるネジ締め機3選を紹介していますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

自動化をするなら
おすすめのネジ締め機
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機種別に見る自動化メリット

ハンディタイプによる自動化

作業者が手に持って使用するハンディタイプは、全自動ではなく半自動にあたります。ねじ供給の手間が省けるため、その分作業スピードが向上します。半自動ラインでの導入が多く、作業者の負担軽減に特に有効です。

ハンディタイプの
ネジ締め機について
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電動ドライバータイプ
(単体機)による自動化

手動よりもトルク制御の精度が向上し、締め付けのばらつきを減少させます。コンパクトで組み込みが容易なため、既存の生産ラインに部分的に導入しやすいのも特長です。トレーサビリティや生産データの自動取得も可能になります。

電動ドライバータイプの
ネジ締め機について
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ロボットタイプによる全自動化

ねじ締め工程を全自動化し、24時間無人での稼働が可能です。トレーサビリティ対応により品質保証が実現されるだけでなく、工場全体のスマートファクトリー化にもスムーズに移行できます。

ネジ締めロボット
(ロボットタイプのネジ締め機)
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手作業と自動化の違いとは?

作業の安定性

手作業では作業者ごとに締め付け強度にばらつきが出やすく、不良品発生のリスクが高まります。一方、自動化では設定したトルク値に基づき、毎回安定した締め付けが可能となり、品質の均一化が図れます。

作業スピード

人の手で1本ずつ締める場合、数十秒から数分かかることもありますが、自動化すれば短時間での締結が可能です。ねじ供給も含めて数秒で工程を完了させられることもあり、生産効率を大幅に改善できます。

トレーサビリティ・品質保証

手作業では締め付けに関する詳細なデータを記録できず、ミスが見逃されがちです。しかし、自動化では、トルク値や回転数、着座検知、エラー履歴などの情報が自動的に記録されるため、不具合の原因追究や予防が迅速に行えます。

ネジ締め機の導入で、生産ラインの
自動化や省人化が実現できる

ネジ締め機の導入により、ねじ締めの工程を自動化、あるいは半自動化することができます。特に、これまで手作業で行っていた工場では、省人化や属人化に大きく貢献するはずです。さらに、自動化することはスピードの向上、品質の向上・改善、コストの削減につながるなど、メリットや導入効果は業務効率化だけに留まりません。

以下のページでは、実際にネジ締め機を生産ラインに組み込んだ事例や、導入して省人化を叶えた事例を紹介しています。イニシャルコストがかかる、手作業より不良が増えるのではないかと不安に思っている方は、ぜひ実際の導入事例をチェックしてください。

ネジ締め機の導入で
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生産ラインを自動化できた
事例を見てみる

編集チームまとめ

ねじ締め自動化によるメリットは、作業スピードの向上や品質の安定、属人化の防止など多岐にわたります。

また、機種ごとに得られるメリットも異なるため、目的や現場に合った選定が大切です。導入を検討する際は、自社の工程やねじの種類に合ったネジ締め機を選ぶことでより大きなメリットが期待できるでしょう。

ワークとねじサイズから見つかる!
おすすめのネジ締め機3選

ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。

スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

想定ねじサイズ:M0.4~M3(※1)
ABLシリーズ
日本テクナート
ABLシリーズ
画像引用元:日本テクナート公式HP(https://www.technart.com/)
対応トルク参考値
0.002~13.2N・m
こんな製品におすすめ
スマートフォン/車載電装品/医療機器/半導体部品
ココがポイント!

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。

ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。

家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

想定ねじサイズ:M4~M5
HMシリーズ
デンソーウェーブ
HMシリーズ
画像引用元:デンソーウェーブ公式HP(https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/screwtightening/STR.html)
対応トルク参考値
1.0~4.0N・m
こんな製品におすすめ
家電/PCパーツ/自動車組み立て部品/事務機器
ココがポイント!

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。

最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。

建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

想定ねじサイズ:M6~M12
THL900-EN01
エスティック
THL900-EN01
画像引用元:エスティック公式HP(https://www.estic.co.jp/products/)
対応トルク参考値
1.0~100.0N・m
こんな製品におすすめ
工作機械/産業機械/自動車のエンジン部品/航空機の機体構造部材
ココがポイント!

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。

高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。

※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。

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