適したワークと
ねじサイズから探す
製造現場の生産性向上に欠かせないネジ締めの自動化ですが、締結不良を防ぐための品質管理が課題となることも少なくありません。本記事では、自動化における品質管理の重要性や、具体的な対策について解説します。
自動機を用いたネジ締め工程では、特有の締結不良に注意が必要です。よくある不良として、正しい位置からずれたり斜めに入ったまま締め付けられる「位置ずれ・斜め締結」が挙げられます。
また、トルク不足はネジの緩みにつながり、逆にトルク過多はネジ本体や部品が耐えきれずに壊れてしまう破損を引き起こす可能性があります。
さらに、自動機であってもビットの摩耗や位置決め機構のずれ、センサ異常などが発生すると、トルクのばらつきや位置ずれの原因になります。そのため、定期的な点検やメンテナンスを実施し、設備の状態を維持することが重要です。
ネジ締結の品質を適切に管理するためには、「トルク」と「軸力」の基本関係を理解しておくことが欠かせません。トルクとはねじを回転させるための力(モーメント)であり、軸力とはねじが伸びて部品を締め付ける(圧縮する)力のことです。トルクと軸力は、摩擦条件が一定であれば概ね比例関係にありますが、実際にはねじ山や座面の摩擦の影響を大きく受けます。
一般的には、締付トルクの約85~95%がねじ山や座面の摩擦として消費され、軸力として利用されるのは5~15%程度とされています。つまり、同じトルクで締めても摩擦状態によって発生する軸力が変わるため、トルク管理だけでは完璧な品質管理は難しいという課題が存在します。
自動化やトルク管理の課題を解決するためには、デジタル化を活用した高度な対策が有効です。例えば、電動ナットランナなどの自動機では、トルクや回転角度の変化を波形として監視することで、位置ずれや部品の噛み込みなどによる異常締結をリアルタイムで検知できます。
また、自動化ラインの検査や一部の手作業工程においても、デジタルトルクレンチなどのデバイスを使用し、締付トルク値を数値化して自動記録することが推奨されます。設定値に達した際のアラート報知やエラー発生時の管理者通知機能を組み合わせることで、設備と人の両面からばらつきを低減し、品質の均一化につながります。
ネジ締めの自動化を成功させるには、トルクと軸力の関係を正しく理解し、細部まで配慮したデジタル管理体制を構築することが重要です。品質のばらつきを防ぐためにも、締付データの管理機能や異常検知機能を備えた設備の導入を検討してみてください。
さらに、締付結果をデータとして保存し、後から確認できるトレーサビリティを確保することで、品質管理のさらなる精度向上につながります。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。