適したワークと
ねじサイズから探す
ネジ締め工程の自動化を検討・導入する際、M1.0前後あるいはそれ以下の微小ネジ(マイクロネジ)を扱う現場で頻発するのが、パーツフィーダー内でのネジの詰まりです。本記事では、自動化を阻むこの課題の原因と対策、機器選定のポイントを解説します。
ネジ締め工程を自動化しても、パーツフィーダーのシュートやレール部分でネジが詰まると、生産ラインが一時停止するチョコ停が頻発します。微小ネジは1点あたりのサイズが小さく、わずかな姿勢の変化や引っかかりで搬送がストップしがちです。
現場の作業員がその都度ピンセットなどで詰まりを解消する手戻りが発生すれば、自動化による生産性向上のメリットが相殺されてしまいます。特に冬場などの乾燥する季節に発生率が上がることが、多くの工場で共通する課題となっています。
微小ネジが頻繁に詰まる原因は静電気です。パーツフィーダーは振動を利用してネジを移動させるため、ボウル面やレールとネジが擦れ合う摩擦帯電や、密着したネジ同士が離れる「剥離帯電」によって静電気が発生します。
一般的なネジであれば自重で進みますが、重力よりも静電気の吸着力が勝ってしまいます。その結果、ネジがレールの壁面に吸着したり、ネジ同士が塊になって詰まりを引き起こします。
フィーダー内での静電気トラブルを解決するためには、以下の4つの対策が有効です。
搬送ルートにイオンを照射して除電します。ただし、微小ネジは風で吹き飛ぶ恐れがあるため、無風または微風タイプのイオナイザーを選ぶ必要があります。
ボウルやレールに導電性コーティングなどの表面処理を施し、摩擦による帯電そのものを抑制します。
室内湿度を50%〜60%程度に維持することで、物体の表面に水分膜ができ、静電気が空気中へ逃げやすくなります。
ボウル内へのネジの過剰投入を防ぎ、摩擦や衝突の回数を減らします。また、これらの一連の対策と並行して、静電気で引き寄せられた細かなゴミを定期清掃で除去することも大切です。
自動化の成功には、導入段階での機器選定が重要です。対策機器を選ぶ際は、静電気の表面電位を下げるだけでなく、ネジ同士が凝集しないレベルまで除電できる性能を持つか確認しましょう。
また、微小ネジ専用に設計されたフィーダーは、レール幅の調整精度が高く、あらかじめ静電気対策が標準化されているケースが多いです。自社の扱うネジの材質やサイズに適応しているか、事前にメーカーへのワークテストを依頼して選定することをおすすめします。
ネジ締め自動化における微小ネジのフィーダー詰まりは、摩擦や剥離で生じる静電気と、ネジの軽さが起因しています。イオナイザーの設置や湿度管理、導電性コーティングといった複合的なアプローチに加え、微小ワークに適した専用フィーダーを選定することで、チョコ停の発生を抑え、安定した自動化ラインを実現できます。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。