適したワークと
ねじサイズから探す
ナフサ不足や価格高騰の長期化に伴い、樹脂(プラスチック)材料および樹脂部品の調達コストが跳ね上がっています。調達単価が高騰する中、組み立て工程での作業ミスによる「樹脂部品の破損・廃棄ロス」は、これまで以上に企業の利益を直撃します。本記事では、デリケートな樹脂パーツの手作業ネジ締めが抱えるリスクと、自動ネジ締め機による高精度なトルク制御で「歩留まり100%」を目指すコスト削減アプローチを解説します。
地政学リスクの高まりや国際情勢の急変に伴う供給網の混乱により、石油化学製品の基礎原料であるナフサの価格が高騰を続けています。ナフサの供給不足は、プラスチック・樹脂製品全般の原料不足へダイレクトに直結しており、製造現場における調達難とコスト高を深刻化させる主な要因となっています。
原料高を受けた樹脂メーカー各社による価格改定が進み、ABS、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)など主要な工程樹脂部品の調達価格が急速に上昇しています。製造業においては「部材が入手しにくい上に、調達単価も高い」という深刻な二重苦の構造が定着しつつあり、原価管理の現場を圧迫しています。
部材調達コストが上がっている状況下では、1個あたりの不具合発生が及ぼす財務的ダメージがこれまで以上に大きくなります。完成品に近い組み立て最終工程で部品を破損させてしまった場合、単にその部品代だけでなく、それまでにかかった加工工数や人件費もすべて水泡に帰すことになります。
調達部門がコスト削減に奔走する一方で、製造現場の組み立て工程で「ネジ締めミスによる部品破壊」が頻発していれば、いくら安く買い付けた努力も台無しになります。歩留まり(良品率)の低下による部材廃棄ロスは、決算書には表れにくい「隠れた原価上昇要因」として収益を削り続けます。
金属部品と異なり、プラスチックや樹脂パーツは柔軟性とデリケートな特性を持っています。手作業によるネジ締めでは、力加減が不十分だと「トルク不足によるネジ浮き・ゆるみ」が発生し、逆に強く締めすぎると樹脂に過剰な応力がかかり「割れ」や微細な「クラック(ヒビ)」が即座に発生してしまいます。
手動ドライバーでの締め付け作業は、作業者の感覚や疲労度、熟練度によってかける力(軸力)に±20〜30%ものばらつきが生じます。ベテラン作業者なら感覚で調整できても、新人や派遣作業員が入るたびに部品の破損率が跳ね上がるといった属人化のリスクは、手作業を続ける限り避けられません。
「手作業のネジ締め=人が力加減を調整するもの」と思われがちですが、実はネジ締めは機械で全自動・半自動化できる工程です。自動ネジ締め機なら、設定した最適な締め付け力(トルク)に達した瞬間にストップするため、作業者の熟練度に関わらず、誰がやっても100%同じ品質で完璧に締め付けることができます。
最新の自動ネジ締め機には、締め終わりの直前で回転を緩める「ソフトスタート機能」など、繊細な樹脂パーツを保護する仕組みが備わっています。力任せの締め付けによる「割れ・ヒビ」や、締め不足による「ネジ浮き」を物理的に防げるため、高価になった樹脂部品を1個も無駄にせず使い切る「歩留まり100%」が実現します。
自動ネジ締め機を導入する最大のメリットは、部材の廃棄ロス(捨て金)がゼロになることだけではありません。ネジ締め作業そのものが効率化・自動化されることで、ラインの配置人数を減らす「省人化」が叶い、人件費と部材ロスのダブルで劇的なコスト削減が達成できます。
「自動化は高価だ」と敬遠されがちですが、高騰した樹脂部品の廃棄ロス削減額と人件費カット分を合算して計算すると、驚くほど短期間で回収できるケースが多く見られます。部材単価が高くなっている今だからこそ、不良率をわずか数%改善するだけで投資回収期間は大幅に短縮されます。
歩留まり向上や省人化を目的とした自動化機器の導入には、「ものづくり補助金」や各自治体の省力化投資補助金などの活用が可能です。補助金を活用して初期投資を抑えることで、回収リスクを極小化しながら現場の自動化・高精度化を実現できます。
ナフサ不足による樹脂部品の高騰は、自社だけでは解決できない外部課題です。しかし、高価になった樹脂部品を「1個も無駄にせず組み立てる」という歩留まり向上のアプローチは、自社の努力で今すぐ取り組むことができます。正確なトルク制御を備えた自動ネジ締め機への投資は、部材廃棄ロスを防ぎ利益を守るための最も実効性の高い施策です。
自社の樹脂パーツのサイズや形状に合った最適な装置を選び、廃棄ロスゼロの現場をつくりましょう。
ナフサ不足・価格高騰が続く局面では、調達努力だけでなく「製造ラインでの歩留まり向上」が収益防衛の鍵を握ります。特にデリケートで破損しやすい樹脂パーツのネジ締め工程において、手作業から高精度な自動ネジ締め機へ切り替えることは、割れ・欠陥による廃棄ロスをゼロにし、人件費削減と品質向上を同時に達成できる非常に有効な投資です。自社のワークに適したネジ締め機を選択し、高コスト時代に負けない強固な生産体質を構築してください。
ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。
スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。
ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。
家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。
最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。
建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。
高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。
※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。