ネジ締め機の種類

ネジ締め機には、作業環境や自動化レベルに応じて複数の種類があります。

このページでは、代表的なネジ締め機の種類として、ハンディタイプ・電動ドライバー・ナットランナー・ネジ締めロボットを取り上げ、それぞれの特徴や違い、選び方のポイントをまとめました。

ネジ締め機の種類を知る前に
知っておきたいこと

ネジ締め機は、用途や目的、求められる自動化の段階を明確にしてから選ぶ必要があります。

たとえば、大量生産ラインでは高速かつ高精度な全自動タイプ、少量多品種の組立作業では柔軟性のある手動または半自動タイプがおすすめです。また、ねじのサイズや形状、締付トルクの精度などによっても、選ぶべきネジ締め機の種類が異なります。

ハンディタイプの
ネジ締め機とは?

軽量コンパクトで、携帯性や操作性にも優れていることから、狭所や高所、同じ作業のみを繰り返す大量生産ラインなどでの使用に適しています。また、小型であってもトルク調整機能が搭載されているものが多く、締め過ぎや締め不足を防ぐことも可能です。

手動モデルから、コントローラと連携可能な高機能タイプまで、製品ラインナップは幅広く展開されています。ここでは、ハンディタイプのネジ締め機の特徴や用途、具体的な製品のスペックなどについて紹介しています。

ハンディタイプの
ネジ締め機
について詳しく見る

電動ドライバータイプの
ネジ締め機とは?

電動モーターで駆動し、コード接続、コードレスの2つのタイプがあります。トルクセンサー内蔵により、締め過ぎによる部品破損を防ぐことが可能です。また、コントローラと組み合わせることにより、トレーサビリティに対応できるタイプもあります。

対応ねじサイズやトルク範囲も幅広く、精密機器の締付にも活用することが可能です。ここでは、電動ドライバータイプのネジ締め機の特徴や用途、製品スペックなどについて詳しく紹介しています。

電動ドライバータイプの
ネジ締め機
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ナットランナーとは?
ネジ締め機との違いを解説

モーターやギア、トルクセンサーを備えた工具で、電動または空気圧によりナットやボルトを自動で締付・緩めが可能です。また、高精度・高トルクで作業ができるため、大量生産現場での効率向上に寄与します。

ビットの種類が多いほか、サーボモータやトランスデューサー、無線通信などを備えた製品もあり、トレーサビリティ対応も可能です。ここでは、ナットランナーとネジ締め機の違いや製品スペックなどについて詳しく紹介しています。

ナットランナーと
ネジ締め機
との違い
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ネジ締めロボットとは?

ロボットアーム、ねじ供給装置、ドライバーユニットなどから構成されています。センサーやカメラを用いて、自動でねじを締め付ける機能を搭載した装置もあります。

高速かつ高精度な動作による作業の自動化と生産性向上、設定トルクや回転数での作業による品質のばらつきの抑制が可能です。

ここでは、自動化に貢献するネジ締めロボットの仕組みや特徴、メリットのほか、各企業が取り扱うネジ締めロボットの製品スペックなどについて紹介しています。

ネジ締めロボット
について詳しく見る

編集チームまとめ

ネジ締め機には、作業現場の目的や自動化のレベルに応じて選ぶべきタイプがあります。

たとえば、ハンディタイプは軽量で操作性に優れ、狭所や単純作業に向いており、電動ドライバータイプはトルク制御やトレーサビリティ対応により、精度や記録が求められる場面に適しています。また、ナットランナーは高トルク・高精度が求められる大量生産ライン向けで、ネジ締めロボットは自動化による省人化や品質安定に貢献します。

ネジ締め機の種類を把握することで、自社の現場に合った導入方法や製品選定の第一歩となるでしょう。

ネジ締め機は、自動化
したい範囲・生産ラインに
合わせて選ぼう

全自動化したいのか、一部を自動化したいのかといった自動化する範囲を決めたうえで、生産ラインに取り付けられる種類のネジ締め機を選ぶことで、ねじ締めの工程の自動化が叶います。

自社に合ったネジ締め機を見つけるポイントは、「どの製品に使うねじか」と「ねじのサイズ」という2つの視点から探すと良いでしょう。

当メディアでは、製品の種別とねじサイズの両軸から選べるおすすめのネジ締め機3選を紹介しています。締結したい製品とねじサイズから、各社に自動化したい範囲や生産ラインへの取り付けが可能かを相談してみてください。

【製品×ねじサイズ】
おすすめネジ締め機
3選を見る

ワークとねじサイズから見つかる!
おすすめのネジ締め機3選

ネジ締め機を選ぶときには、“どのサイズのねじを締めるか”が重要な判断基準です。
そこで、当メディアではねじ締結を行いたい対象製品(※以下、「ワーク」と表記)とねじサイズの2軸から、ワークに応じて適切なねじ締めができる3機種を厳選しました。ネジ締め機の特徴を比較し、自社の製造現場に合った1台を見つけてください。

スマートフォンや
車載電装品などに使われる
小ねじを締めたい

想定ねじサイズ:M0.4~M3(※1)
ABLシリーズ
日本テクナート
ABLシリーズ
画像引用元:日本テクナート公式HP(https://www.technart.com/)
対応トルク参考値
0.002~13.2N・m
こんな製品におすすめ
スマートフォン/車載電装品/医療機器/半導体部品
ココがポイント!

精密機器や狭小部品のねじ締めを想定した軽量・小型の構造により、細かい部品の組み立てや狭小空間での作業にも対応。

ねじ1本ごとにスリーブやビット(※2)を設計し、トルク値を精密にコントロール。微細な部品でも不良や製品破損を低減。

家電製品や
PCパーツなどに使われる
定番サイズのねじを締めたい

想定ねじサイズ:M4~M5
HMシリーズ
デンソーウェーブ
HMシリーズ
画像引用元:デンソーウェーブ公式HP(https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/screwtightening/STR.html)
対応トルク参考値
1.0~4.0N・m
こんな製品におすすめ
家電/PCパーツ/自動車組み立て部品/事務機器
ココがポイント!

定番サイズのねじ締めに最適化されたビットやトルク制御で、ノートPCや樹脂製筐体でも破損リスクを抑えられる。

最大6,000rpmの高速ビットと自動ねじ供給システムにより、家電・PCパーツの量産ラインでの作業スピードが向上。

建機や
車体などに使われる
大型・高トルクねじを締めたい

想定ねじサイズ:M6~M12
THL900-EN01
エスティック
THL900-EN01
画像引用元:エスティック公式HP(https://www.estic.co.jp/products/)
対応トルク参考値
1.0~100.0N・m
こんな製品におすすめ
工作機械/産業機械/自動車のエンジン部品/航空機の機体構造部材
ココがポイント!

最大100N・mの高トルクのため、自動車のサブフレームや建機の構造材など汎用モデルでは難しい大型ねじの締結が可能。

高負荷領域でもトルク制御・ねじ締めデータの記録精度を維持でき、構造部品に求められる品質基準もクリアできる。

※1 ねじサイズについて「M0.4」と表記していますが、正式なJIS規格(JIS B0201)では「S0.4×0.1」が正確な呼び方です。本メディアでは一般的な呼称に基づき説明しています。
※2 ビットとは、ねじを締めるための先端工具のこと。スリーブは、ねじをエア吸着でピックアップするときに必要な部品のこと。
※このメディアでは、公式HPに記載されている数値や製品特性をもとに「想定ねじサイズ」と「対応トルク参考値」を定義・整理しています。実際の対応範囲の詳細については、各社のスペック表をご確認ください。

適したワークと
ねじサイズから探す

ネジ締め機3選